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 女王様の図書室


2005年9月に読んだ本     

9月は冊数はそこそこ稼いだものの、小粒な作品が多かった。
久しぶりの篠田節子も期待が大きすぎたのか?
実は太田垣靖子の「きょうのごはん」が一番よかったりするかも。

 ロズウェルなんか知らない  篠田節子 6.5カラット
かつてスキー客で賑わったが、今はすっかり寂れてしまった駒木野を再生すべく、村の青年クラブ(といっても40近い元青年たち)が奮闘する話。村をオカルト村に仕立てることができるのか??
ストーリー展開も人物描写も面白く、一気に読めました。が、どうも篠田節子に関しては、厳しい目で見てしまいます。彼女は私が新作を待ち構えている、数少ない作家なんで、(つまり読み尽くしちゃったので、待ってる、篠田節子に飢えてる状態)スゴクスゴク期待をしてしまうんですよね。
「弥勒」のあの衝撃をもう一度!

 凍りついた香り      小川洋子 6.4カラット
調香師の恋人が死んでしまった主人公の女性が、その死の謎を辿るために、プラハまで1人旅する物語です。
いつもながら、ひんやりとした死、愛、息遣い。そんなものを感じさせる人物像。恋人が死んだからといって、小川洋子の作品の中の人物は半狂乱になったりしない。
プラハで紐解かれる、恋人の過去も興味深いが、一番印象的な場面は生前、彼が彼女に香水をつけるワンシーン。何か映画の中の1カットのようで、素敵だ。
読み終わった後、恋をしたくなるような小説っていうのもあるけれど、小川洋子の場合はそうは思わない。あえて言うなら、ひとりでそっと寝ているアポロの背中を撫でたくなる、かな? 

 死神の精度       伊坂幸太郎 7.0カラット
連作短編、というのか、短編がどこかでつながっているというタイプの作品だ。主人公は死神。死神は死が決まっている人の調査。その人が死んでもOKか最終確認をするのが仕事だ。彼は淡々と仕事をこなし、人間には興味が無い。CD屋で、音楽を試聴するのが好き。人間くさくないような、とっても人間くさいような、興味深い人物(?)だ。
彼が見つめる、「死を間近にした人たち」がまたリアルで、さすが伊坂幸太郎、と思える。6編のつながり方も「ううむ、そう繋がるのか」と関心することしかり。
伊坂幸太郎には、篠田節子のような「衝撃的ヘビーな大作」でなく、さらっとしてるのに面白くてたまらなく、ほろりと来る。ってのを求めているので、まぁ今回、期待通りの感じだった。
やっぱり、この人は上手い。 
ちなみに、死神役は私の中ではジョニー・デップなんだけどどうでしょうか?そこはかとなく、怪しいイメージが。

 竜宮          川上弘美 6.0カラット
不思議な世界を繰り広げる川上弘美。
今回の短編も、不思議さ満載である。ちょっと不気味な民話風物語が8編。物語には、異形の者達が沢山出てくる。が、先ほど不気味と書いたけれど、決して嫌悪感は覚えない。
ちょっと、ユーモラスで、ちょっと悲しくせつない異形の者達の想い。人との情愛。
読後感も悪くない。が、川上弘美の作品は読んだ後「ぬらっ」としたものをいつも感じるのだ。読めば読むほど、「もしや、話題作『センセイの鞄』のツキコも人間ではなかったか?」と疑ってしまいたくなる。 

 夜夢           柴田よしき 6.0カラット
大好きな柴田よしきの短編集。もっとも、私がイチオシなのは、長編「RIKO」シリーズや「炎都」のシリーズなんだけどね。
元々は別々の雑誌に掲載された短編を、数人のホームレスを語り部にするという方法で編集しなおしている。
人間の心のゆがみ、愛のねじれ、なとをテーマにした作品が多い。「恋愛ホラー」と銘打っているけど、ちょっとそういう感じとは違うかも。

 コドモノクニ     長野まゆみ 5.9カラット
久しぶりに手にした長野まゆみ。
初期の頃は結構長野まゆみ好きだったんだけどねぇ。長野まゆみを読んだことのある人ならご存知と思うが、作品に出てくるのはとにかく、美少年たち。んで、ちょっとアブナイのだ。こ、これは腐女子向けの小説だったか?けど、何作品かは純粋に面白かったのだが、最近の作品はその色が濃すぎてちょっと私は敬遠していたのだ。
「コドモノクニ」はいつもと違い、女の子達のお話。しかも、私達の世代の子供時代の懐かしいものがギューっと詰まっている。フェルトの人形、チロリアンテープ、フィンガービスケット。思わず「ふふっ」と笑いたくなる情景が広がる。
美少年が出てこないと不満な人には物足りないかもしれないけど、年代限定で(30年前に子供だった人たち)お勧めしたい。 

 まぶた        小川洋子 6.5カラット
今月は短編が多いなぁ。
小川洋子の短編。ほのぼのしみじみ系の多い小川洋子だけど、ぞくっと不気味な面も持っている。
この短編は、「ぞくっと」の方を全面に出している8編。私が小川洋子と初めて出会った「偶然の祝福」にも登場する、手が上がったまま動かなくなった元水泳選手の弟、の話「バックストローク」が違う手法で書かれている。
私が一番好きだったのは、ウィーンで翻訳の仕事をする、80歳を過ぎた老双子の話。「リンデンバウム通りの双子」。
超話題作となった「博士の愛した数式」の暖かいストーリーとは雰囲気がぐっと違うが、小川洋子の違う一面を覗きたい人にはお勧め。 

 きょうのごはん    大田垣晴子 7.7カラット
今月の最高カラットをゲット!
ほのぼのイラストがかわいい、大田垣晴子の料理&エッセイ&イラスト本だ。
気の抜けた様なイラストとユーモアたっぷりのエッセイが前から好きだったのだけど、今回は料理本だからとってもお得な感じ。 
料理のレシピは簡単で酒のつまみになるものが多いので、ウチにはぴったり。
ちなみに、作ってみたのは「牡蠣のオイル漬け」と「クリームチーズと酒盗の和え物」の2品です。どっちも○でした。


                                

10月

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